伊豆と天草「ところてん」の昔話
伊豆白浜と
「ところてん」の歴史
伊豆は江戸時代より天草漁が盛んでした。
特に、海水浴場や観光地として有名な伊豆白浜は、以前は日本最大の天草産地の一つとして全国に名を馳せていました。
豊かな海の恵みのおかげで、当時の白浜村は無税。小学校も自己財源で建設し、学費も無料だったというのは、伝説のようですが本当の話なのです。
しかし昭和も30年を過ぎると、村の産業も急激に観光へとシフトして、今では手摘みの天草漁も少なくなり、現在の海水浴場として有名な伊豆白浜となっていきました。
とはいえ、各所に残る伊豆石の倉や天草倉庫は、写真のように村人こぞって天草作業をしていた頃の名残。ところてんとのつきあいもその頃からなので、
今でも良い天草や美味いところてんへのこだわりが残る、ところてん百年のふるさとの面影を残しています。
伊豆の下田では今も白浜の他に須崎地区で天草漁が行われているので、5-9月の間には道すがら天草を天日に晒す様子を見かける事もあるでしょう。
[ 写真 : 伊豆白浜海岸の天草漁・大正時代の頃 ]
「ところてん」豆知識
あまり知られてはいないことですが、ところてん用と寒天用の天草は種類と品質が異なります。
ところてん専用草はマクサと言い、寒天用の数倍の高値になります。
もちろん、寒天用の天草から作られるところてんもあります。しかしそれらは、圧力釜や酢を使って強制抽出するので、食物繊維が断絶して濁りが出てしまい、食感もゴリゴリしたところてんになってしまいます。
伊豆も、下田あたりのところてん用天草は、低温からの食物繊維の抽出が出来るので、圧力釜や溶媒として酢を使わず、繊維が傷めることなく抽出することができます。
そのため、濁りがなくクリア、かつ長い繊維のからまりが失われないので、結んでも容易には切れない張りと腰があり、食感はプルプルとして、磯の香りも失いません。
コストと製法の手間はかかってしまうのですが、ところてんのおいしさはこの食感と磯の香ですから、これを大切にするため、下田天草と効率の悪い昔ながらの釜煮だし、
二度焚きなどしない一番垂れの特別なところてんを味わっていただきたいと考えました。
"天草のふるさとならではのものを"お届けしたいという思いから、キダチアロエところてん開発をしました。
下田手摘天草
ところてん
伊豆の手摘み天草を原料にして、贅沢に時間を使って伊豆の天日で丁寧に晒して熟成させ、昔ながらの釜煮出し一番垂れのみを使用。
混ぜ物も少なく、透明度が高くほのかに磯の香りを残したところてんです。生粋伊豆造り、ピュアな張りと腰のある本物のところてんをぜひご賞味ください。
こちらのページよりご購入いただけます。
昔ながらの製法で作られた通常のところてんと、伊豆特産キダチアロエが入ったものの二種類ございます。
伊豆白浜では100年の昔から重宝されていたアロエと、天然色素としてくちなしを使っています。
今まで無かった新発想のキダチアロエ入りで、さらにしっとりとしたところてんを味わってみてください。