アロエ・スザンナエ
- 学名:
- Aloe suzannae Decary 1921
- アロエ・スザンナエ
- 属科:
- Asphodelaceae : Aloaceae
- 自生地:
- South of Mdagascar、マダガスカル南部乾性地
- 形質:
- 原生地では樹木状
【 以下開花時の記録 】
- 樹齢:
- 40年以上
- 花穂:
- 3m、太さ5-10cm扁平にて旋回しながら伸びる。
- 花数:
- 約1,500
- 花:
- クリーム色。写真は日本で最初に咲いたアロエ・スザンナエの花です。
- 開花間隔は数少ない植栽における開花事例として4-13年とありますがはっきりしません。レイノルズ(1966)によると開花は夜間、日中は再び閉じるとあります。確かに夜間の方が色がいいようです。
- 葉:
- 約90枚、1m前後、見下ろすと5角形にて角13枚前後の葉
- 気温(開花時・温室内):
- 日中30度前後・夜間12-16度
アロエ・スザンナエについて
アロエ・スザンナエ(Aloe suzannae)はマダガスカル南部の乾性地に自生するアロエです。数多くのアロエを見てきましたが、葉の質感、花、どれをとっても他のアロエとは異質の、非常に希少なアロエです。
世界的に最も個体数の少ないアロエのひとつで、ワシントン条約でも最も厳しいアペンディックスⅠに指定され、
IUCN(International Union For Conseration of Nature and Natural resources)国際保護連合のレッドリストに絶滅危惧種として記載されています。
国内で保持している植物園は無いと思われ、数は少ないですが、個人所蔵のものが現存する程度でしょう。
原産地でも原生数は50個体を切り、減少傾向が続いていることから、イギリスのキュー王立植物園などの活動によって人工的な繁殖と原生地への復帰が試みられています。
全世界においても植栽されているのは公立の植物園など一部に限られ、植栽による開花例となると、カルフォルニアとデンマーク、南アの植物園の数例のみで、国内ではこの一例のみとなっています。
この株は40年以上前、ワシントン条約にかかる前に国内に導入されたもので、鉢植えだったものを11年前に露地温室に植栽。今回初めて花芽を出し開花したものです。
国内では最初の開花例で、特に夜間に撮影したアロエ・スザンナエの花の画像は非常に珍しいものです。Webで世界を巡ってもぜんぜん見つかりません(^^;
原生地の気温は最低気温が16度前後最高気温は30度を超える熱帯サバンナなので、伊豆の暖かさゆえに開花をみたのかもしれません。
アロエ属はワシントン条約も改訂の度、絶滅危惧種に指定されるものが増えているのが現状で、貴重な資源植物であるアロエが絶滅の危機に瀕することに心を痛めるこの頃です。
観光用にも植栽されて、普段なじみあるキダチアロエもワシントン条約による輸出入の制限がなされています。希少な資源植物であるアロエの重要性・貴重性を広く知っていただくため、
今回紹介させていただく次第です。人工授粉を試み繁殖を目指します。
■開花間隔は4年~13年といわれています。
[ 写真は日本アロエセンター原種保存用の温室にて byアロエ栽培家 ]